私が所属しているJBN全国工務店協会の環境委員会の今月のテーマは、「住まいと水」に関する勉強会に参加しました。
空気と同じく目に見えないけど健康に関わる重要な「水」の世界には、多くの新しい発見がありました。
水の専門家3名の先生にお越しいただき、「住まいと水」についてのお話を伺いました。
非常に興味深い内容でしたので、本日はその一部をお伝えしたいと思います。
講師の方々は以下の通りです。
◎国立保健医療科学院 生活環境研究部 特任研究官 秋葉道宏様
◎一般社団法人浄水器協会 事務局長 青木一男様
◎株式会社サイエンス 取締役 専務 平江真輝様
秋葉道宏先生は、水道工学、水処理工学、飲料水の健康危機管理学、環境生物工学、流域水管理学の専門家です。
秋葉先生から、「世界で水道水をそのまま飲めるのは12カ国だけ」という興味深い事実を学びました。
水道水をそのまま飲める国は、日本を含めて世界で12カ国だけです。
飲用できない国では、水は非常に貴重です。蛇口をひねれば飲むことができる水が出てくるのは特別なことです。
日本の水質基準に関しては環境省 https://www.env.go.jp/water/water_supply/kijun/index.html が管轄していますが、腹壊すのは人間で厚生労働省で無いのは、はて?
私共上尾市の水道水質検査の事に関してはこちらにhttps://www.city.ageo.lg.jp/site/suido/364481.html
日本の水道水は厳しい水質基準が設けられており、基準値よりもかなり低い数値で供給されています。
しかし、安全な水道水があるのに、直接飲んでいる人は44%とのことです、残りの人々はミネラルウォーターを購入したり、浄水器を使用したり、煮沸してから飲んでいます。
秋葉先生の講義を通じて、「水道水は非常に安全」ということが確認できました。
ただ、皆さんが気になるのは「塩素」ですね。なぜ水道水には塩素が入っているのか?それは「安全」のため、つまり「消毒」のためです。
浄水場で不純物や化学物質が取り除かれた水道水が各家庭に届くまでの間に、わずかな雑菌が入ることもあるため、蛇口から出る状態で残留塩素濃度を0.1mg/L以上に保つことが定められています。
地域によっては塩素濃度が高い地域もあり、その場合「カルキ臭い」と感じることもあります。
また、地域によっては、近年の河川の状況や豪雨の影響で水道水に残留するアルミが多い地域もあります。
濁った原水を浄水するためにポリ塩化アルミニウム凝集剤を使用することがあり、その一部が水道水に残ることがあります。
カルキ(塩素)くさい、凝固剤の残留物、鉄管などの古い配管内の鉄分の溶出などが不味い理由に挙げられますが、地方の方がアパートに入居して不味いと思うのは、敷地内にある水道タンクのせいかもしれません。
水道水は直接蛇口から出せるのは12m程度の高さまで、つまり4階以上になるといったん敷地内に受水槽というタンクに水をためいったん屋上にある高架水槽にポンプで揚水します。
そこから各階に重力にて自然流下させて各戸のじゃ口から水が出てくるわけですが、タンクの汚れや外部からの不純物の流入などが水を不味くします、更にタンク内の水の消毒のために更に塩素が注入されます。
高架水槽で温められ、追加された塩素の水、美味しくないですよね。
興味深い話として、「ミネラルウォーターは食品衛生法の管轄で、水道水とは異なる基準」ということがあります。
ペットボトルのミネラルウォーターは食品衛生法の管轄で、水道水の基準とは異なる基準が適用されており、雑菌や不純物の量は水道水よりも多いのです。
「水道水よりもミネラルウォーターの方が安全」と思っている人が多いかもしれませんが、この事実には驚きました。
と言うわけで、秋葉先生からは日本の水は安全だと言うことがわかりました。
次に、一般社団法人浄水器協会 事務局長 青木一男様の話です
浄水器は安心を買う装置だそうです。
水道の浄水器の主な機能は以下の通りです。
◎不純物の除去:水中に含まれる微小な不純物や汚れを取り除く。
◎塩素の除去:水道水に含まれる消毒用の塩素を除去し、カルキ臭をなくす。
◎重金属の除去:水中に含まれる鉛や水銀などの有害な重金属を取り除く。
◎微生物の除去:細菌やウイルスなどの微生物を除去し、水を安全にする。
◎有機化合物の除去:農薬や化学薬品などの有機化合物を除去する。
◎味や匂いの改善:水の味や匂いを改善し、飲みやすくする。
◎カルキの除去:水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの硬度成分を除去し、軟水化する。
◎pH調整:水のpH値を調整し、飲みやすい状態にする。
◎ミネラルの補給:一部の浄水器は、ミネラルを添加して水質を改善する。
つまり安全だけど更に上記のような仕事をしてくれると安心ですねと言うことです。
浄水器にいて興味深かったのは最近はやってきた水道メーター直後に設置する家まるごと浄水器について。
全館浄水器のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
◎家全体で浄水を利用可能:キッチンだけでなく、浴室や洗面所、トイレなど、家のすべての蛇口から浄水が供給されます。
◎健康面の向上:シャワーや風呂の水も浄水されるため、肌や髪への塩素の影響が少なくなります。
◎生活の快適さ向上:カルキ臭や塩素臭がなくなり、洗濯物の仕上がりが良くなるなど、日常生活の質が向上します。
◎家電製品の寿命延長:浄水を使用することで、給湯器や洗濯機、食器洗い機などの家電製品の故障リスクが減り、寿命が延びる可能性があります。
◎一貫した水質管理:家全体で一貫した高品質の水を利用できるため、安心して生活できます。
デメリット
◎初期費用が高い:全館浄水器の設置には高額な初期費用がかかります。機器自体の費用に加え、配管工事などの設置費用も必要です。
◎メンテナンスが必要:フィルターの交換や定期的なメンテナンスが必要で、これに伴うランニングコストがかかります。
◎設置スペースが必要:全館浄水器は比較的大きな装置のため、設置するためのスペースが必要です。
◎水圧の低下:浄水器を通すことで水圧が低下することがあります。特に複数の蛇口を同時に使用する場合、影響を感じることがあるかもしれません。
◎効果の限界:全館浄水器でも、すべての不純物や有害物質を完全に除去できるわけではありません。特定の汚染物質については、別途専用の浄水器が必要な場合もあります。
そこで、かねてから不安に思っていた事が滞留水の件、浄水器で塩酸が除去された水が滞留するわけですから、なんだか気持ち悪い。
滞留水の問題点
◎細菌の繁殖:水が長時間配管内に滞留すると、細菌や微生物が繁殖する可能性があります。これにより、水質が劣化し、健康リスクが増加します。
◎塩素効果の低下:全館浄水器は塩素を除去するため、滞留水中の塩素濃度が低下します。これにより、細菌や微生物の増殖を抑える効果が減少します。
◎味や匂いの変化:滞留水は味や匂いが変化し、使用時に違和感を感じることがあります。
対策
◎定期的な水の循環:定期的に水を流すことで、配管内の水を新鮮に保つことができます。例えば、長時間使わなかった蛇口を数分間開けて水を流すと良いでしょう。
◎バイパスバルブの使用:一部の全館浄水器にはバイパスバルブが装備されており、必要に応じて原水を使用することができます。これにより、水の滞留を防ぐことができます。
◎浄水器のメンテナンス:定期的なメンテナンスを行い、フィルター交換やシステムの点検を行うことで、水質を維持し、滞留水による問題を最小限に抑えます。
◎UV殺菌装置の併用:滞留水の細菌繁殖を防ぐために、UV殺菌装置を併用することも効果的です。UV光による殺菌効果で、水質を保つことができます。
◎適切な設置場所の選定:浄水器を設置する場所を適切に選び、できるだけ水の流れが滞らないように配管設計を行うことが重要です。
これらの対策を講じることで、全館浄水器を使用しても滞留水のリスクを最小限に抑え、安全で快適な水環境を維持することができます。
最後に、株式会社サイエンス 取締役 専務 平江真輝様よりマイクロバブルとウルトラファインバブルのお話を拝聴いたしました。
以前、私も以前こちらのシャワーヘッドを使ったことありましたが、温度が下がりすぎて不快だと家族には何故か不評で知人宅に嫁入りしました。そんなわけで私個人的にノーコメントとさせていただきます。